このページでは受け口だったアラサーサラリーマンが歯列矯正を始めて終えるまでの記録を3回にわたり記載しております。20代後半の歯列矯正に興味関心がある方はぜひご覧いただけると嬉しいです。
記録を残す理由
私は歯列矯正治療を2022年にスタートし、約2年3ヶ月後の2025年の2月に治療を終えました。
矯正治療を終えた今は歯並びも改善し笑顔に自身も持てるようになりました。
この記録を残そうと思った理由は、矯正前は自分の歯並びが結構ひどく受け口や叢生と呼ばれる状態でした。
レアケースなのか、ネットで調べてみても同じような境遇にいる人も少なく参考になるような情報もあまりなく、当時の私などへの助けになるような情報が欲しいと感じていたためです。
矯正を始める前や矯正を行う過程では「私の歯並びが本当に治るのか?」不安に思うことも多く自分の経験を残すことにいたしました。
プロフィール

以下が私の矯正治療に関する情報です。
- 26歳で矯正をスタート
- 2年3ヶ月の歯列矯正期間を経てリテーナーでの保定を実施中
- 矯正前は受け口、叢生、舌癖あり
- 非抜歯、外科手術なしで表側ワイヤー矯正を完了
- MSE、アンカースクリュー、IPRを経験
費用
トータル100万円強の費用がかかりました。大体の内訳は以下の通り。
- 表側矯正 88万円(税込)
- 精密検査 55,000円(税込)
- 調整 5,500円(税込) 調整は合計30回ほど
- 脱落の再接着 3,300円(税込) 合計で3回ほどありましたが、脱落がなければ発生しない費用です
- カウンセリング 0円
矯正を決意した理由|とある歯科医師からの衝撃の一言
自分の歯並びが悪いことは理解しつつも、20代半ばになるまで矯正なんて全く意識もせずに過ごしてきました。
正直、20年ほど付き合ってきた自分の歯並びなので、こういうものだと納得して特に気にせずに過ごしておりました。
自分の歯並びを治そうと思ったことがなかった20代半ばの男が、なぜ急に矯正を始めようと思ったかというと、
ある歯科医師からの指摘が理由でした。
とある日、これまでの人生で歯科クリーニングを受けたことがなかった私は歯の汚れが気になり、歯科クリーニングでも受けてみようと考えました。



たまには虫歯予防でクリーニングをしてみよう
歯並びが悪かったので汚れが溜まりやすいリスクは気にしていました。
そんなことでクリーニングを受けていたのですが、その時の歯科医院の先生が私の歯を見て色々話してくれました。



虫歯はなさそうだね



よしよし、よかったよかった 日頃のケアの成果だ



歯の表面は綺麗ね



よしよし、歯の表面は結構綺麗って言われるんだよね



だけど…



だけど?



歯並びはかなりひどいね
これだと汚れも溜まりやすいだろうし
まあ、今から歯並びを治すような年齢でもないと思うから、歯のケア気をつけてね



えっそんな言われる?もしかして自分の歯並びってかなり悪いのかも,,,
この時に初めて歯並びの悪さを自覚しました。
いや歯並びが悪いのはわかっていたのですが、歯医者の先生から言われて強く実感をしました。



そうなんですね、歯磨き気をつけます
その時私はそのように返事をするしかなかったですね。
そのままクリーニングを終え、お会計を済まし、家に帰っておりました。
クリーニングのおかげで口の中はスッキリし口腔内のさっぱり感をじっくり味わっても良かったのですが、心の中にはモヤモヤが残っておりました。
歯医者で言われた一言が忘れられませんでした。
歯並びがかなりひどいというコメントもショッキングでしたが、私の中ではその後に言われた
今から歯並びを治す年齢でもないという言葉が引っかかっていました。
本当にこの年齢から歯並びを治すことはできないのか?
確かに矯正は小さい時に済ませるイメージはあって、小学生や中学生の時は矯正をしている人がいたことを思い出しました。
ただ、若い方が治しやすいだけで、年齢に明確な制限はないのではないかと、歯科医院を疑う気持ちで、歯科矯正を始めたいという動機が湧いてきました。
歯列矯正に関する下調べ
クリーニングを終えて家に帰った後、私はそのままの流れで、歯列矯正について適応年齢などについて調べました。
すると、私が思ったことはその通りで、若いうちだけでなくても矯正は可能であり、20歳でも30歳でも、40歳でも歯列矯正をした例がたくさん出てきました。
なんなら60代で矯正をスタートする方もいることもわかり驚きでした。
その人たちに比べれば自分なんてまだまだ十分早いくらいだなと勝手に納得していました。
今からでも矯正をスタートできるとわかったので、その流れで矯正歯科について調べることにしました。
調べると矯正ができる歯科医院はたくさんあって、正直どこで受ければいいかわかりませんでした。
ただ、多くの歯科医院でカウンセリング無料、気軽に相談に来てくださいと書いてあったのでひとまず最寄りの歯科医院を予約して訪問することにしました。
カウンセリング1件目|歯科医院が頭を抱える歯並びの悪さ
クリーニングで受けた歯科医師からの指摘によって、自身の歯並びが悪いことを痛感し、26歳で初めて歯科矯正のカウンセリングを受けました。
一番初めに話を聞いたのがどこにでもある街の歯医者でした。
週に一回、矯正歯科の先生が来て矯正治療を行う歯科医院でした。
恐らく、このようなタイプの歯科医院は良くあるのではないでしょうか。
まずここでカウンセリングを受けようと思ったのは家から最も近いからでした。
矯正を目的に歯医者に行くことは初めてだったので内心ドキドキワクワクしておりました。
いわゆる街の歯医者であったので、クリニックには小さな子供とそのお母さんで来院している人が多かったです。
確かに自分も子供の頃は親に連れられて歯医者に行ったなということを思いながら受付を済ませました。
小さな子供やお母さんたちに囲まれて20代半ばの男が一人でかなり肩身が狭くしながらカウンセリングの時を待ちました。
5組ほど順番を待ち、名前が呼ばれました。
カウンセリングをしてくださったのは子供の相手が上手そうな男性の先生でした。
なんとなくですが、クリーニングの時にひどい指摘をした先生のようなことは言わないだろうと感じました。
確かに予想通り、歯並びがひどいという厳しい指摘はなかったのですが、先生はかなり悩んでいるのが伝わってきました。



うーん、これはなかなか難しいケースですね。
正直、抜歯は必要になるかなと思います。
そして仮に矯正を行なっても完全に並ぶ可能性は低いからやらない方がいいかもしれないね。



ガーン
なんと、まさかのいきなりギブアップ、これはかなりのショック。
矯正のプランとか前向きなことが言われると思っていたら期待していたのとは全然違う反応で残念でした。
そして、一件目のカウンセリングは「このまま歯並びは治らないのではないか」という絶望を感じる形で終了したのでした。
この時点でお気づきかもしれないですが、最初の歯科医院選びがかなり重要であります。
カウンセリング2件目|まさかの骨格に異常?外科手術を勧められる
一件目であっさり白旗を上げられた辛さを乗り越えて、歯科医院探しを続行しました。
一件目の経験を踏まえて、今度はある程度ネットで情報を出していて治る見込みが高い歯科医院を剪定しながら、二件目はマウスピース矯正を専門にしたクリニックを選びカウンセリングの予約を入れました。
ネットで色々調べるうちに知識も上がっていき自分の症例が受け口、叢生、クロスバイトがあることがわかってきました。
二件目のクリニックではこのようなケースの対応例もあり、簡易的な検査をもとにプランを提案してくれるとのことで一件目よりも期待はできました。
二件目のクリニックは一件目とは異なり、ターミナル駅の矯正歯科クリニックで大人の患者も多いところでした。
20代でも矯正歯科に来ていいんだと少し安心しながら受付を済ませました。
こちらのクリニックではまず初めに口腔内スキャンとレントゲンの撮影が行われました。
ちゃんと検査を行った上で矯正の提案が行われるクリックだと安心をしました。
諸々の検査を終えていよいよカウンセリングスタート。
しかし、担当医師の顔色は良くありませんでした。



うーん、当クリニックではあまり治らないかもしれません。



ガーン(2回目)
まさかの二件目でもギブアップに近い反応でした。



あなたは顎変形症が疑われるので、歯を並び替えても完全には並ばないかもしれません。



顎関節症?顎に問題あり?



顎関節症の場合は、顎が原因で歯並びが悪くなっているため、外科手術で顎の位置を変更することが必要になってきます。
私は実は大学病院でも勤務してまして、このようなケースは大学病院で対応するケースかと思います。
なんと、本当に重大なケースだということが生まれて26年目に判明いたしました。



大学への紹介状も希望があれば書くことが可能なのでいてください。



わかりました。
そう言って、私はその日のカウンセリング結果を持ち帰って必要があれば後日連絡するということでクリニックから帰りました。
このカウンセリングをきっかけに私の中でまた新たな選択肢が生まれました。
それは、外科手術を行なって骨格ごと歯並びを改善するというものです。
この時にひたすら外科手術の可能性について調べ物を開始しておりました。外科手術のメリットやリスク等々調べるとたくさんありました。
カウンセリング3件目|ここで決定?歯科矯正で治せるギリギリライン
外科手術の可能性を残しながら3件目のカウンセリングを受けることにしました。
正直、ここでダメだったら外科手術しかないなという思いでありました。
今回、選んだクリニックは都内の矯正歯科でした。
矯正の先生は大学などでの講義などを行なっているなどの情報もあり、自分にはどの矯正が適しているのかを判断してくれそうな期待がありました。
さらにはクリニックのホームページにはこれまでの患者さんの矯正結果が複数掲載されており、その中に自分と同じような症例の人が載っておりました。
外科手術も選択肢に上がるような受け口の症例で、外科手術を行わない矯正治療のみで治療されていました。
もしかしたら自分も同じように治療してもらえるかもしれないという期待を感じました。
内装がオシャレなクリニックで受付を済ませて待合室で待っておりました。
カウンセリング3回目にもなると慣れてきて1回目のクリニックよりかは緊張感は低減しておりました。
そんなこんなで自分の番になり、いざチェアへ。
チェアに座って歯並びチェック。



なるほどなるほど、これはなかなかだね。
やはり最初のリアクションは同じような感じ。
ただ、こちらの先生はその後のチェックが違いました。口に水を含ませ水を飲むように指示をしました。
言われるがまま口を開けながら水を飲みました。
もちろんその一部始終を見ておりました。



舌癖があるね。
下の歯を下で押してしまっているね。
これは舌癖を治さないといけないね。
なるほど、確かに言われてみればそうでした。
カウンセリングの時点で簡単な検査をいくつか行いました。
そして先生の出した診断は



精密検査をしてみないとわからないけど、外科手術なしでできるかの境界線な気がするね。
似たような症例の対応例があるからできる気もするけど。
なんとこれまでの歯科医師と違って、治るかもしれないという前向きなコメント。
その時点で感動的でした。ただし、実際に治せるかどうかは精密検査を行ったのちに判断とのことでした。
この精密検査には5万円ほど費用が必要(精密検査の結果、治せないとの結果になっても返金はなし)とのことでしたが、私は迷わずに精密検査の予約を取りました。
私の矯正記録は第2章に続きます。


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